都立国語

都立高校入試の国語の解き方を忘れない為にメモ。

もし自分が今後都立高校入試を指導するとなった時の最適解です。あくまで自分用のメモですし、このブログにたどり着いた誰かのためのものではありません。

 

 

物語

できごと→心情→行動 の流れを必ず意識。

そしてこの流れから導ける、以下の公式をあてはめて解答。

公式①心情理由=できごと+から。

公式②行動理由=できごと+心情+から。

公式③心情内容=できごと+心情。

 

例:お気に入りのコップが割れた→悲しい→涙を流す

公式①なぜ主人公は悲しいのか?

答え①コップが割れた(できごと)から。

公式②なぜ主人公は涙を流したのか?

答え②コップが割れて(できごと)悲しい(心情)から。

公式③主人公はどういう気持ちか?

答え③コップが割れて悲しい。

 

公式をミックスしたのが「様子」問題。傍線部付近のできごと→心情→行動の一連の流れを問われている。

公式④様子=できごと+心情+行動。

 

上記の通り、意識する点はシンプル。時系列と因果関係がキーポイントなので、起点となるできごとは何か?傍線部の近くに心情を表す表現はないか?を、傍線部と同じ場面から探すようにしたい。

 

表現を問う問題は必ず傍線部を根拠にすること。極論、傍線部以外見なくていい。とはいえこの問題の質が都立国語物語の質を左右すると言っても過言では無いので、簡単には解けない年も多々あり。

表現を問う問題の傾向は以下の4つ。

傾向①選択肢の文は3つのパートに分けられる。

傾向②選択肢は「〜を」から始まることが多い。

傾向③「〜を」の次は「〜して」の形が続くことが多い。

傾向④文末は「〜表現する」の形になることが多い。

 

例:当時の様子を思い出しながら自分自身でも確かめるように家族に話す馬渕の様子を、たとえを用いて巧みに描くことで表現する。

 

□傍線部は「何について」書いてるか。

=主語・目的語は選択肢と一致しているか。

例題では「当時の様子〜馬渕の様子を」にあたる部分。傍線部は本当に馬渕について述べてる文か?そして馬渕は当時の様子を思い出しながら話しているか?この辺をチェック。

□どのように描いているか。

例題では「たとえを用いて」にあたる部分。ほんとにたとえを用いてるか?をチェック。

□文末がおかしくないか。

ここは難しい。上記二つのポイントで根拠を固めた上で、それでも決めきれない時にこのポイントをチェック。

例題では「巧みに描くことで表現している。」にあたる部分。絵画的に表現している、躍動的に表現している…など、アバウトで根拠にかける言葉が使われることも多い。

だが、「対照的に表現している」「たとえを用いて表現している」「順序だてて表現している」など、比較的根拠としやすい言葉が使われている場合もある。このときはしっかり傍線部と選択肢を照らし合わせて考えたい。

 

 

説明文

物語同様、問題のパターンが3つに限られている。

 

パターン①傍線部とはどういうことか問題

パターン②傍線部と筆者が述べるのはなぜか問題

パターン③段落の役割を問う問題

そして作文。

パターン①②は本文を全部読まなくても解けるし、③も前後の段落との繋がりがわかればそこだけで解けてしまう。

だけど作文を書くにあたって筆者の主張を理解しておくのはマストなので、本文の理解を諦めないようにしたい。

 

パターン①は言い換え問題。傍線部を言い換えるとどうなるか?というのを聞かれている。

前提として選択肢そのものが傍線部の言い換えである必要があるので、話題や論点がすり替えられているものを消す必要がある。

 

そのうえで、解き方としては、

・傍線部に指示語がある場合、その内容を探す。

・傍線部と同じような話をしている箇所を本文から探す。

・主語、目的語が傍線部と本文と選択肢で一致しているかを確認。

・選択肢そのものが傍線部を言い換えているか、最終チェック。

 

言い換えを辿っていくと、根拠が傍線部から離れることもある。まずは傍線部付近に言い換えが無いかを探し、徐々に範囲を広げていく。あとは傍線部と選択肢が対応していることもあるので、照らし合わせて内容が一致してるか確かめるのもいいと思う。

いずれにせよ選択肢を分解して考えるのが大事。

 

 

パターン②

これもパターン①と考え方は似てる。

論点がすり替えられてないか?本文と選択肢で異なることを言っていないか?

などを、選択肢を分解しながら考える。

ただし、より根拠が本文ベースになるので、本文に書いてないことは不正解としたい。(パターン①は同義語を使うなどして巧妙に本文と言い方を変えていることもあるので、実はこの解き方は危険)

本文と書いてることが全然違う選択肢→本文には書いてるけど論点が違う選択肢の順で消していく。

※パターン②の解き方はもう少しシステマチックに整えたいと思ってます。有識者の意見募集中です〜。

 

パターン③

年によってまちまち!!具体↔抽象の行き来とか、対比を用いた表現とか、話題の転換とか、基本的なことが問われてたらラッキー。

接続詞について(並立・添加・具体例などなど…)が理解出来てる生徒はこの問題が強い印象。

接続詞を理解する=本文の展開を理解する であり、このタイプの問題の本質なので。

 

余談ですが、、

あくまで私のやり方ですが、説明文を読む際は「言い換え・対比・因果」は絶対意識させていました。

特に言い換え・因果を把握することでパターン①、パターン②の問題が解きやすくなります。

一気に把握するのが難しい場合は言い換えが最優先。特に具体と抽象が言い換えの手法だと気づいている生徒は少なかったので、そこを意識してもらいました。

 

 

作文

都立の作文は正直初見殺しだと思う。模範解答の構成が珍しい型をしているので…。

模範解答の型はこんな感じ⬇️

(一段落目)具体例・体験談→(二段落目)筆者の主張→自分の意見

 

必ずテーマが与えられてるので、このテーマから離れないよう注意。今たまたま目の前にある過去問のテーマは「読書という積極的な営み」なので、これを例としてあげます。

 

まずは、このテーマについて筆者がどう考えているか本文から探す。

例:読書という積極的な営みについて述べている文をさがす。キーワードは読書、積極的、営み。

※ここに時間をかけると後々の問題に響くので、よほど国語が苦手な生徒でない限りこのテーマを先に把握してから本文を読むよう勧めていました。

 

筆者の意見を把握したら、テーマについて再考。自分の体験談と意見をまとめる。

例:本・積極的というキーワードから体験談を想像。凝った体験談は必要ないので、本を読んで〇〇した、というようなシンプルなものでよい。

意見は文末を「〜したい」「〜だと思う」の形でしめるのが無難。

例:読書は〜だと思う。読書を〜をしたい。

 

あとはこれを型に当てはめる。

型…一段落目に具体例・体験談、二段落目に筆者の意見と自分の意見。

文法的に正しく書けていれば、8点は必ず貰えるはず。

 

模範解答をたくさん読んでたくさん書くのがトレーニングになる。慣れるとかなり書きやすい型でもあるので、都立国語の作文は質より量!!!

 

※あらゆるサイトに作文のコツが載っていますが、都立入試に限っては型に当てはめる方が高得点を狙えます。実際に生徒の答案を見て気づきましたが、筆者の主張は抜き出す部分がズレていても点数を貰えるようです。

ちなみに都立の作文は満点を取りずらいので、世にはびこる「必ず満点」みたいなメソッドは通用しません。8点を安定してとる練習がコスパがいいと思います。

 

 

 

このやり方は講師1年目では編み出すことができず、2年目以降の生徒に教える形となりました。夏までのVもぎで60点〜70点台あたりを行き来していた生徒は、上記のように解き方を整えるだけで以降90点台で安定するようになりました。それ以下の生徒はほぼ確実に語彙力や本文の理解力に問題があります。生徒によってやり方を変えていましたが、どの生徒であっても物語から点数をとれるようにしたいところです。簡単なので。

個人的には青森県は都立と似た傾向の問題が多いかな?と感じたので、演習が足りなければ補強としてやってもいいかもです。